無垢のフローリングは天然木の味わいや雰囲気、また木の質感や床に足を踏み入れた感覚が他の床材とは全く違います。
無垢材は天然素材であるがため、木1本1本でも表情の違いが感じられ、樹木の品種によっても微妙な差を楽しむことができます。
木の触り心地や硬さ、色合いや木目のキレイさなど、自分好みの無垢材を探すのも新築やリフォームする時の楽しみですね。
床を無垢フローリングにする時は、木の種類や原産国によっても無垢材の風合いは変わってきます。
それが無垢フローリングを選ぶ時のだいご味でもありますが、実際に見て触って、確かめることで、本当の違いが分かるものでもあります。
家づくりの取り組み
無垢フローリングは「桜の木」を塗装してレトロな印象に
注文住宅で家を建てたのですが、床材は木の種類を選べると言われたのですが、お任せして桜の木にしました。
もともとは木そのものの色だったのですが、濃い茶の塗料を塗って焦げ茶色にしています。
賃貸に住んでいたの時は、集成材の床材で自分で家を建てるなら無垢の木の床にしたいとずっと思ってました。
展示場に行って、自分たちで床材や柱などを触ってみて、やはり本当の木の床は違うなと感じました。
自分たち夫婦は、古民家の様な、悪く言えば古臭い家の感じが好みで床材の色は暗くしました。
レトロな雰囲気が好きなのでこの床の色にしたと言ってもいいです。
サクラ(チェリー)の無垢フローリングの色々
桜は、バラ科サクラ属の落葉広葉です。
サクラに使われる無垢のフローリングは市場では「チェリー」と呼ばれて出回っています。
無垢のサクラ材は原産国や木の種類によっても名称が違って種類も多いです。
国産の桜のソメイヨシノや、アメリカのブラックチェリー、中国の西南部の桜も「サクラ」の無垢フローリング材として使われています。
国産の桜フローリング
桜は日本の樹木として、身近な存在で親しみがあります。
国産の桜のフローリングは広葉樹の中でも柔らかい木質です。
触り心地がなめらかなのが特徴で使い込むごとに表面に飴色がかった艶が出ます。
流通も少ないので非常に高価で、高級家具や傘のハンドルなどにも使われることが多いです。
人肌になじむような感覚が好まれ、ほのかにピンクがかっていたり赤みを帯びています。
国産の桜の多くは経年劣化で赤褐色に変化するのが特徴なので、使い込むごとに表情の変化が見て取れる味わいのあるフローリングです。
使われる桜によって木質や木目は異なりますが、国産の桜フローリングは、木目ががはっきりしていてち密にできています。
原産地によって名称が異なりますが、中国の西南部の桜もサクラの無垢のフローリングとして使われています。
アメリカンブラックチェリーも桜のフローリング
北米産のサクラの中で、もっとも有名で、ヨーロッパではニューイングランドマホガニーともよばれ、高級家具用材として利用されます。
アメリカンブラックチェリーも「サクラ」っと呼ばれる無垢フローリング材っとして出回っています。
国産の桜と同じバラ科の広葉樹で、日本の桜と同じような面持ちを持ち、高級品です。
経年の変色で落ち着いたダークで深みのある赤褐色となり、木肌も艶が増します。
木目は細かく通っており、材色の深まりとともに、まさに年月を経たやわらかな表情を生み出します。
木質はち密で、湿度の変化にも強く、湿気の影響を受けないので、木材として安定しています。
使い込むごとに風合いが増し、表面が飴色がかった艶や光沢感が好まれ、経年による独特な表面の変化が楽しめます。
「サクラ系」フローリング(カバ桜)は「サクラ」とは別物
「サクラ」っと呼ばれるフローリングにはカバやバーチと呼ばれていることもあります。
サクラ系フローリング(カバ桜)はカバノキ科シラカンバ属の落葉広葉樹で、桜のようにピンクがかっているわけではなく、白っぽい色をしています。
正式な分類でいうと「桜」ではないのですが、表面の仕上がり具合や木目の感じが似ていることから、サクラ系フローリングとして市場に出回っています。
桜と同じような、雰囲気や質感を持っていながら、ヨーロッパ・東アジア・北米と非常に自生区域が広く流通量も多いため、比較的お求めやすい無垢のフローリングです。
このようにサクラの無垢フローリングでも名称や木の種類でも多岐にわたります。
無垢のフローリングは肌で感じるべし
無垢の木の床を使用してあるハウスメーカーのモデルルームや展示場に行って、素足で歩いてみるとまさに肌で感じました。
「サクラ」の無垢フローリングでも「サクラ系」でも、使われている木による特性や質感は全く違います。
それが無垢フローリングの良い所でもあるので、実際に目で見て触って確かめて好みの質感を見つけるのも楽しいですね。
無垢のフローリングは湿気やすい?
家を買う際に、工務店の担当者が木は呼吸をするので匂いや湿気を吸収して住みやすい環境を作ってくれると言っていました。
複合フローリングなどは表面を加工することで湿気を防ぎますが、桜のフローリング木の性質上、温度の変化に強く、湿気による影響をあまり受けない床材です。
最初は疑心暗鬼でしたが、実際の所冬場でもあまり湿度が下がらず、夏でもあまり蒸し蒸しせず、やはり快適だと感じます。
湿気で木が腐るなんてこともないので安心してください。
思ったより掃除機をかけた後のキレイさがでない
掃除機をかけた際に、以前住んでいた床のようにキレイに掃除しにくい気がします。
これは無垢のフローリングは常に呼吸をしているためなのかもしれません。
常に呼吸をして湿度を調節しているため、無垢のフローリングの表面は常に湿っている状態にあります。
これによってほこりなどが静電気によって床に張り付くようなことはない代わりに、小さなほこりは床にくっついている感じがします。
無垢の木だと埃が目立ちにくい気がするので、掃除機をかけて凄くキレイになったっという感じはあまりしません。
これは、掃除機の機能的な問題なのか、無垢のフローリングの性質なのかは分かりませんが、ぱっと見、綺麗に見えるのは複合材の床だと思います。
床に光沢があるからなのか掃除機をかけた後の綺麗さは圧倒的に複合材の方が良いと思いました。
椅子の後が付くので要注意
椅子の足の跡が床に結構つくのでこれは注意が必要です。
複合材の床だと傷がつきにくいですが、無垢材の中でも特に桜は柔らかいです。
子供が傷を付けるのが心配な人はもっと硬い無垢のフローリングか複合フローリングを選んだ方が良いと思います。
重い家具を置いて置くと当然ながら跡がつきますが、椅子程度でも足の後がつくので、気を使います。
無垢のフローリングは自分好みに微調整がしやすい
無垢のフローリングは無垢材のまま使って経年劣化を楽しむのも良いのです。
表面に何かしら塗装やワックスなどをしておくと表面の保護もでき、色合いも自分オリジナルの床に変えることができます。
暗い塗料を塗るとも木目がきれいに浮かび上がって複合材では出し切れないレトロな雰囲気になりました。
あと、個人的な意見ですが、無垢の木の床材は黒のアイアンを使うようなインテリアには凄く合うと思います。
自分達の好きな家具がどういう材質でどういった色調なのかでも床材の選び方も変わってくると思います。
住みたい部屋を思い浮かべて、無垢の木にするのか複合材の床にするのかを決めてもいいと思います。