無垢材のフローリングって自然素材だし、柔らかくて見た目も高級感がある。
そんな良いイメージばかりが先行してしまうと住んでみると思ったより大変な目に遭います。
無垢材のフローリングは住みやすさは抜群ですが、お手入れは大変で、見た目をキレイに保つためのメンテナンスやお手入れも必要だという事を肝に銘じておかなければなりません。
家づくりの取り組み
フローリングの種類は大きく分けて2種類
- 無垢材(単層)
- 複合フローリング(複層)
フローリングには大きく分けて無垢材と複合フローリングの2つがあります。
今回は、無垢材のフローリングに焦点を当てて、無垢材の床のメリットとデメリットを把握して、お家に取り入れる判断材料にしてみてください。
無垢材(単層)フローリングとは
「無垢材」とは、木から切り木材を切り出し、そのまま使う木材のことをいいます。
基本的に、木の板を重ねず1枚板で使うので、「単層フローリング」と呼ばれています。
無垢材フローリングの特徴
- 木の質感をそのまま感じられる
- 湿気作用がある
- 静電気を帯びないから掃除機をかけやすい
- 使い込む楽しみがある
- 見た目が美しい
- 1つとして同じものがない床になる
木の質感をそのまま感じられる
無垢材の最大のメリットは、木の質感や肌触りが良い事です。
フローリングを素足で踏みしめた時の木の柔らかな心地よさは他のフローリングには絶対ない物。
冬場は、無垢材が柔らかいおかげで、フローリングの上を素足で歩いても冷たさを感じません。
また、床が柔らかいため、長時間立っていても足が疲れにくく、木の良い匂いが漂います。
調湿作用がある
無垢材は切り倒された後でも呼吸をしています。
木が呼吸するおかげで、調湿作用が働き、夏場は無駄な湿気を吸収します。
なので、夏場でも床がベトベトせず、サラサラです。
冬場は乾燥しがちな空間に水分を放出してくれるので、部屋の湿度を適度に保ってくれます。
なので、無垢のフローリングは加湿器いらずです。
静電気をおびないから掃除機をかけやすい
無垢材は複合フローリングのように静電気が発生しません。
床が静電気を帯びているとほこりが張り付いてとりにくい場合がありますが、無垢材はフワっとしたほこりなので、掃除機でほこりがすいとりやすいです。
なお、無垢材の塗装次第では静電気を帯びてしまう場合もあります。
使い込む楽しみがある
無垢材は使えば使うほど、表情が変化します。
歳月がたつにつれて艶や色に味わいが出て、経年変化を楽しめるのも無垢材ならではです。
見た目が美しい
無垢材は同じ樹種でも1つ1つ木目の出方が違い、色合いも異なります。
無垢材にも広葉樹と針葉樹によっても木目の出方や木肌がガラッと変わります。
見た目は好みの問題ですが、無垢材は表面に凹凸があり、1枚1枚合わせられることで、立体感が出るので見た目もよく高級感があります。
1つとして同じものがない床になる
複合フローリングでも無垢材に真似て作らているものはありますが、見た目はマネできても、無垢材ならではの触り心地や温かさは複合フローリングでは決して出せないものです。
広葉樹や針葉樹のどちらを選ぶかでも表情や無垢材の柔らかさが違い、産地によっても違いが出てきたりします。
無垢材の1つ1つが、木から切り出されるため、板1枚の木目が1つとして同じ柄がなく、世界に1つだけの床になり、無垢材のフローリングを選ぶと、人とかぶることがありません。
無垢材のフローリングの注意事項
- 反りやすき間ができることがある
- 水気に弱い
- キズがつきやすい
- お手入れに気を使う
- 値段が高い
反りやすき間ができることがある
無垢材は呼吸をし、水分を吸ったり吐いたりしているので、木が膨張したり、収縮したりします。
膨張と収縮を繰り返すことにより、木が負荷に耐えられなくなって反りやすき間ができることがあります。
水気に弱い
無垢材は水を吸収しやすいです。
調湿作用である程度の水分量には耐えられるものの、多量の水分は受け止めることができず、吸収し続け、シミができたり、木が傷んできたりします。
木が湿度で膨張と収縮を繰り返すので、ヘコミができたときに膨張させれば少しのヘコミなら簡単に治るっという側面はありますが、食べこぼしなどは厳禁です。
キズがつきやすい
無垢材は素材自体が柔らかいため、少しの衝撃で凹んだりキズが付いたりしたりします。
しかし、キズやササクレなどをサンドペーパーで取り除いたり、パテで埋めたりと自分でどうにかできることも多いです。
複合フローリングは表面の保護シートが剥がれると修復不可能なので、キズや付きやすいけど、直しやすいです。
無垢材の色合いによってはキズが目立つようになるので、キズが目立つのが嫌なら節ありの無垢材を使用するとあまり目立ちません。
お手入れに気を使う
少し物を落としただけでキズやヘコミはできるし、水分が厳禁なので、普段のお手入れが大変です。
また、板と板のすき間ができるので、ゴミがすき間に溜まりやすく、それがストレスに感じる人もいます。
とくにすき間にゼリーなどをこぼしてしまった場合はお掃除の手段がなく、絶望的です。
すき間の掃除には、木が収縮する冬場が向いていて、爪楊枝で地道にかきだす方法がほとんどです。
その際にも、爪楊枝で無垢材を傷つけずにお掃除しなければならないので気を使います。
また、無垢材の表面を何で保護しているかでもお手いれ具合が変わってきます。
自然塗料によるオイル仕上げ
自然塗料によるオイル仕上げとは植物油などを原料とした自然塗料で、木材に染み込ませて保護するものです。
無垢材の質感や風合いをそこなわずに感じることができます。
しかし、自然塗料によるオイル仕上げは年に1回程度塗り直しが必要で、表面の美観を損なわないようにするようなものなので、年に一回程度、塗り直しが必要です。
ウレタン塗装仕上げ
ウレタン塗装仕上げとは、合成樹脂の主成分がウレタン系の塗料で、無垢材の表面に薄い膜をつくるような仕上げです。
ウレタン塗装仕上げは耐水性、傷に強いので、水をこぼしてもオイル仕上げほど神経を使う必要がなくなります。
しかし、自然オイルに比べると、無垢材ならではの風合い、素足や肌で感じる感覚が自然塗料によるオイル仕上げに比べると劣ります。
いずれにしてもメンテナンス頻度は複合フローリングよりは多めになり、小さなお子様がいるご家庭では扱いにくいと感じる人が多いでしょう。
値段が高い
無垢材は天然木から1つ1つ切り出すため、値段が高いです。
床は壁紙と同様、広い面積なので、数万円の違いが何百万円の違いにつながります。
無垢材は樹種によって値段がことなり、針葉樹より広葉樹の方が安いですが、触り心地や耐久性など、色んな樹種や産地によっても値段が異なります。
複合フローリングか無垢のフローリングかで悩む点で一番多いのは値段だと思うので、コスト的に厳しいなら一部分だけ無垢材にするっというのもありだと思います。
無垢材のフローリングは良いイメージが先行しすぎない事
無垢材は良いっということは知っていても、無垢材にも当然ながらデメリットはあります。
天然素材で、見た目が良くて柔らかな床は無垢のフローリングだけです。
でも、良いイメージが先行しすぎてしまうと、後々後悔することになります。
お家に無垢材のフローリングを導入しようと考えている時は、無垢材の特徴をよく理解し、メンテナンスが苦にならないか、キズがついても気にしすぎないかどうかがカギになります。
いずれにしても無垢材は一点もので、世界にどこをさがしても同じものは1つとないオリジナルな床になることは間違いなしです。