家に和室が欲しいと思っても、ガッツリ畳部屋を作るのはコストもかかるし、工事も必要で何かと躊躇してしまいがちです。
そんな時、ユニット畳(置き畳)なら置くだけでフローリングから和室に変えることができ、畳が劣化した時は自分で交換できるし、気が変わったら畳を移動させることができるので何かと融通がききます。
畳といえばイグサを思い浮かべますが、畳表に和紙が使われたものはイグサのデメリットを克服した畳なので魅力的な部分も多いです。
家づくりの取り組み
置き畳は和室が欲しい人が後悔しにくい
家に和室を作ってしまうと、和室が不要になった時や、気が変わって模様替えやリフォームをしたくなった時、畳の撤去に費用がかかります。
しかし、フローリングの上のに置くだけのユット畳(置き畳)なら畳を移動させるだけで事足りるので何かと便利です。
通常の畳だと、畳と畳の間の溝にゴミが入り込みやすく、一度敷いた畳は年末のお掃除ぐらいのメンテナンスしかしなくなりがちですが、ユニット畳は軽くて移動が楽です。
簡単に取り外し可能で、傷めば部分的に取替も可能でメンテナンスもしやすい畳です。
通常のイグサは劣化してくると、畳表のイグサがぽろぽろと剥がれてしまいますが、和紙畳はそのイグサのデメリットを克服した畳表なのでおすすめです。
和紙畳の魅力6選
- 耐久性がある
- 撥水性がある
- お掃除しやすい
- 虫が発生しにくい
- 色柄の選択肢がありおしゃれ
畳表が和紙で作られた畳は、和紙をこより状に加工して、表面に樹脂コーティングがされているため、摩耗による劣化が少なく、耐久性があります。
表面のコーティングにより撥水性を持たせているので、汚れにも強く、お掃除が楽で、虫のエサとなる物がないので虫もつきません。
色も豊富で月日が経っても変色しないので長持ちです。
畳といえば、1畳ずつ敷き詰めた長方形の物をイメージしますが、ユニット畳は正方形で、目を交互にすることで市松模様になり、見た目もモダンでおしゃれになります。
海外のインテリアとも合わせやすく、部屋のイメージを損ないにくいです。
置き畳の和紙製の畳表はダイケン一択
和紙の畳表は正式名称大建工業株式会社(ダイケン)が作っている畳表です。
全国に畳表を提供しているので、ダイケンの和紙製の畳表を使って、畳屋さんは畳を製造しています。
ダイケンが作っているユニット和紙畳(置き畳)以外にも和紙製の畳はありますが、畳表は全てダイケンの畳表です。
ダイケンの和紙畳は少々お高いので、安いものを探しがちですが、生産国が中国や海外になっているものは輸入品で、ダイケンの和紙畳ではない可能性があり、品質・耐久性ともに不安がでてきます。
畳は日本の文化ですので、日本国内のダイケンの和紙畳を使ったユニット畳(置き畳)を買ってこそ、上記の和紙畳の魅力が発揮されます。
和紙の畳表以外に注目する点は「畳床」(心材)
和紙畳はダイケンの和紙畳一択ですが、畳を巻き付ける「畳床」(心材)はユニット畳(置き畳)を生産しているところによって、厚みや構造が違うことで踏み心地や耐久性に差があります。
よく畳の使われる畳床の材料
- インシュレンボード
- ポリスチレンフォーム
インシュレンボード
インシュレンボードとは木を細かくチップ状にしたものを固めて作ったものです。
木のチップを水と加え過熱して、接着剤や合成樹脂を混ぜて板状にされたもので、畳床の基材として使われています。
畳床に使われるのは、このインシュレンボードっという建築資材がほとんどです。
このような建築資材をファイバーボードと呼びますが、インシュレンボードはファイバーボードの中でも柔らかい素材になります。
そして、インシュレンボードは畳表をしっかり固定しつつも踏み心地がソフトで、断熱性、吸放湿性、吸音性に優れており、軽くて、寸法安定性も良く、加工・施工が容易です。
ただ、和紙畳は無臭ですが、このインシュレンボードは接着剤やら合成樹脂やらを混ぜられて作られるため、少しにおいを発することがあります。
異臭に関しては自然となくなり体に害のない基準のものなので心配はいりません。
気になる人は2,3日、干してから使用すると臭いがおさまります。
ポリスチレンフォームとは
軽量で一般的に住宅建材で使われる断熱材です。
発泡プラスチック系の素材で軽く衝撃性や遮音性にも優れています。
ポリスチレンフォームは踏んだ感触が固いので畳床では、このポリスチレンフォームをインシュレンボードの下に敷いたり、挟んだりして厚み調整や断熱性、耐久性のアップなどに使われます。
ユニット和紙畳(置き畳)の取り扱いメーカーの代表的な商品の特徴
- ダイケンの和紙畳
- たたみのこうひん
- リクシルの和紙畳
ダイケンのインテリア畳 「ここち和座 置き敷きタイプ」
和紙畳といえばダイケンで、ダイケンのユニット和紙畳(置き畳)を選んでおけばまず間違いないです。
ダイケンのユニット和紙畳は4種類あります。
ダイケンのユニット畳はここち和座シリーズで、畳床にはインシュレンボードが使われていて、厚みは薄めになっています。
薄いので置き畳の段差でつまずきにくく、転倒のリスクが少ないです。
ユニット畳には置き畳と敷き込み畳があり、若干のサイズの違いがあるので購入する時は注意が必要です。
敷き込み畳はフローリングの代わりに敷く畳です。
置き畳はフローリングの上に置く畳です。
ダイケンの置き畳と敷き込み畳は名前が似ていますが、厚みと大きさが違うので、よく見て購入してください。
ダイケンの置き畳は畳床が主にインシュレンボードだけで構成されています。
畳表と畳床の間にクッション材を入れてありますが、インシュレンボードは軟質なので若干強度が落ち、薄いので通気性が悪くなりがちです。
更に、インシュレンボードは木質なので湿気に弱いため、湿気がこもらないように適度に畳を移動させる必要がでてきます。
ここち和座シリーズのスペック (1枚組当たり) | |
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サイズ | W820mm×D820mm×H13mm |
踏み心地 | 固め |
基材 | インシュレンボード |
重さ | 3㎏ |
ここち和座 彩園 煌(さいえん きらめき)
経糸(たていと)が光の加減できらめく、高級感のある置き畳です。
編みこまれている糸が光の加減でゆらゆらと輝いて見え、畳をライトアップするのが楽しくなります。
部屋の照明で美しく輝きを放つ置き畳はその空間で共に過ごしているだけでうっとりします。
ここち和座 清流(せいりゅう)
イグサ畳をイメージした色合いでオーソドックスな置き畳です。
畳の目が細かく、光の加減で畳の色に濃淡ができるので、交互に並べるとコントラストの違いが楽しめます。
和洋どちらのテイストのお部屋でも合わせやすいです。
ここち和座 彩園(さいえん)
2色の経糸で編まれた置き畳です。
アジアンテイストなお部屋によく合います。
ここち和座 小波(さざなみ)
色合いがモダンで、フローリングの色に合わせやすい置き畳です。
フローリングの色と同じようなの色合いなので畳とフローリングが一体化して見えます。
遠目から見たとき、フローリングによくなじみ、畳の存在感をなるべく隠したい人におすすめです。
たたみのこうひん フローリング畳 パラレル/メディア[Media]82
創業100年の畳メーカーで、職人の手で1つ1つ作られている置き畳です。
厚みが25㎜と厚くインシュレンボードをポリスチレンフォームでサンドする従来の畳の作り方で作られています。
畳床を複数層にすることで、通気性がよく、踏み心地もソフトです。
25mmとはいえ、段差ができるので、つまずかないようにしてください。
色も豊富なので、どんな部屋でも合わせやすくなっています。
畳1枚当たり | |
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サイズ | W820mm×D820mm×H25mm |
踏み心地 | ソフト |
畳床 | インシュレンボード ポリスチレンフォーム |
重さ | 3㎏ |
たたみのこうひん フローリング畳 パラレル/メディア[Media]70
このシリーズにはサイズ違いで700㎜の正方形で重さが2.8㎏のものもあります。
コンパクトなので取り扱いしやすいです。
1枚当たり | |
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サイズ | W700mm×D700mm×H25mm |
踏み心地 | ソフト |
畳床 | インシュレンボード ポリスチレンフォーム |
重さ | 2.8㎏ |
サイズ変更も有料で可能
畳屋さんならではのサービスで、置き畳のサイズ変更もできます。
置き畳を部屋全体に敷き詰めたい場合、隙間にぴったりと納めたいときに便利です。
安い畳なら自分で加工することもできますが、和紙畳は畳床がしっかりしているので自分でカットするには苦労します。
畳はぴったりと収まると見栄えもよく、隅から隅まで畳を敷きたい場合はこういったサービスを使うと自分で加工する手間が省けます。
【加工料金】
・サイズ変更の場合 +1,100円(税込)/枚
・カット・角切の場合 +2,200円(税込)/箇所
畳のサイズ変更込みで考えるならサムライカーペットのオーダー置き畳
置き畳のサイズ変更込みで考えるならサムライカーペットのオーダー置き畳です。
こちらのお店では、畳表にダイケンの和紙畳で清流を使っており、縦横600㎜~900㎜の間ならサイズ変更が無料です。
厚みの変更も可能で、薄い畳では滑り止めがついていても畳が動きやすいので分厚くして重みを出したいっという人でもオーダー可能です。
厚みや特殊サイズへの変更は有料になりますが、最初から畳のサイズ変更を考えている人におすすめです。
1枚当たり | |
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サイズ | W600~900mm×D600~900mm×厚み変更可能 (50㎜刻みで変更可能) |
踏み心地 | 固い(厚みによる) |
畳床 | インシュレンボード |
重さ | サイズによる |
家にちょこっと和を取り入れたい時の優秀なアイテム
現代では、ほとんどの住宅がフローリングで、和室とも縁がなくなりつつあります。
でも、和室は好きっという人は多いのではないでしょうか?
従来のい草畳は、水気に弱く耐久性や衛生面に不安がありましたが、和紙畳ならそのデメリットを克服で手軽に和を取り入れたい人には最適なアイテムだと思います。
和紙畳は現代の技術が生み出した畳表ですが、昔ながらの畳屋さんでは1から手づくりをしているため、畳屋さんの方がサイズ変更に融通がききやすいです。
マットでも良いけど、畳の方がインテリア的に素敵なお部屋になるのではないのでしょうか?