間取りを考える時に、収納スペースは結構なおざりになりがちです。
特に狭いお家では住居スペースの確保のために、収納スペースは狭く、コストもかけない傾向にあります。
しかし、とりあえずあれば良いっかっと考えておくと後々大変です。
収納スペースが狭いために、見せたくないものがだしっぱになってしまったり、収納家具を買わなくてはならなくなったりして、思った以上にごちゃごちゃした家になるかもしれません。
収納=収納家具となるような収納スペースの取り方をすると住居スペースも確保され、空間も広く感じられスッキリした印象の家になります。
家づくりの取り組み
こだわりは一般的な収納率より比率を広くとった事
予算はあまり多い方ではなかったので建物自体はあまり大きくできなかったのですが、なるべく居住スペースを広く感じらて、スッキリ使えるようにしたいと思い、収納を工夫して計画しました。
先ずは全ての部屋において居住スペースと収納スペースの比率を、一般的な比率よりも少しだけ収納スペースを大きく取るようにしました。
一般的な収納率とは
まず、収納率とは床面積に対する収納部分の面積比率のことを指します。
収納率には押し入れやクローゼットなどのように床から天井まで全体で収納スペースと含めるものや、吊戸棚や下駄箱など、一部分を含めるものもあり、含めるもの次第で収納率も変わってきます。
収納率から収納スペースの確保を目指す場合の目安は、一般的な収納率はマンションで8%、一戸建てで15%です。
収納スペースが多くなると住居部分が狭くなるのでこのバランスが重要になってきます。
収納率を計算する際は、吊戸棚や下駄箱など、全てが収納スペースとなっていない部分を計算に含めるかによっても収納率は変わってくるので注意が必要です。
収納面積÷総床面積×100
収納スペース内には融通が利くように自在の棚レール
収納スペース内に、自在の棚レールを取りつけ、拡張性・アレンジ性が良くなるように工夫しました。
後で収納用のラックやケースなどを買い足すよりも掃除がしやすく、高さや位置が変えられるので融通が利いて収納スペースも余すことなく使えます。
扉の数を増やし収納物ごとに仕分けしやすく
収納スペースの扉についても工夫し、扉の数を多くして細かく使い分けしやすいようにしました。
扉ごとに収納物が違うので整理整頓しやすく、見渡しやすいです。
階段下のデッドスペースは収納スペースの鉄板
階段下などのデッドスペースは収納スペースの鉄板です。
階段の下にも扉を設置してもらい、簡易収納を設けてもらいました。
収納スペースの扉はあまり目立たないシンプルなものにして、壁との違和感があまり無いように工夫しました。
階段下にトイレを作る人もいますが、階段の高さや幅などに限りがあるので難しい場合もあります。
そんな場合は、どうせ空くなら収納スペースとするのが一番です。
収納スペースを少しだけ工夫するメリット
- 収納家具を買わなくて済む
- 収納家具がない分住居スペースが確保できる
- 収納スペースが無駄なく使える
- 片づけが上手になる
収納家具を買わなくて済む
収納スペースに力を入れることにより、建築後、あまり追加で収納家具買わなくて済みます。
建築費は高くなりますが、収納家具は意外と高いのでその分の費用だと割り切ればコストをかける意味があります。
収納家具がない分住居スペースが確保できる
収納家具がない分、住居スペースが広く、スッキリと感じられます。
一部屋の面積が同じ一般的な部屋の間取りに比べて、居住スペースは小さいですが、余計な収納家具がなく、基本的には何も露出していないので逆に広く見え、実際に広く使えていると思います。
収納スペースが無駄なく使える
収納スペースも意外と無駄なスペースが出来てしまい効率よく使えないことがよくありますが、我が家では自在棚などを活用し、収納スペースを無駄なく活用しています。
しまってしまうと出しにくいけど、出したままにしておきたく無いような家電(掃除機)などもしっかり収納でき、出すのも簡単で便利です。
少しだけ収納スペースを広げたことで物の出し入れもしやすく見渡しやすいです。
片づけが上手になる
元々片付けが苦手で散らかりやすい家だったのですが、まずは収納を見直すことで片付けがしやすくなり、結果スッキリとした居住スペースを確保できました。
収納出来ないから仕方なく出しているものはなく、自分が出しておきたいものだけを出しておけるのはとても良いです。
収納スペースを工夫して家を建てた結果
あまり広い家ではないですが、来客時は「思ったより広く感じる」とよく言われます。
収納スペースは取りすぎると住居スペースが狭くなってしまうので、なおざりになりやすい部分です。
しかし、あまり広くない家だからこそ、収納スペースの確保や一工夫が必要だと感じます。
収納と住居スペースのバランスはその家に住む人数によっても違ってきますが、収納家具がないことで住居スペースも確保でき、部屋に無駄なものがないスッキリとした間取りとなりました。
間取りを考える時は様々なプランが浮かび、方向性を見失ないやすいので、途中で親族や知人などに意見を聞いて冷静になる時間を作ると後悔も少ないです。
あとはなるべくたくさんの家をみて、イメージの引き出しを増やしてみてください。